2006年07月27日

安楽浄土

●56.安楽浄土(あんらくじょうど)

【意味】心身に苦痛がなく、汚れや迷いもない楽しくのんびりとした国土のこと。「安楽」は、心身に苦痛がなく楽しくのんびりとしていること。「浄土」とは、汚れや迷いのない世界(国土)のこと。主に人間の住む世界を「穢土(えど)」というのに対比して用いられる。西方浄土往生の思想が盛んになるにつれて、仏教でいう阿弥陀仏の西方極楽浄土を指すようになった。

※類義語
極楽浄土

※参考
 「安楽」の語は、もとは『孟子』告子下・十五に「知生於憂患而死於安楽也」(憂患に生じて安楽に死するを知るなり)として出てきます。これは、憂患の中にあってこそ生き抜くことができて、安楽にふければ必ず死を招くといった意味で、どちらかというと「安楽」を否定的にとらえていっています。

 親鸞が著した『浄土和讃』には、「安楽浄土にいたるひと/五濁悪世にかへりては/釈迦牟尼仏のごとくにて/利益衆生はきわもなし」とあります。つまり安楽浄土にいたった人は、五濁悪世の世界に返ってきても、まるで釈迦如来のように、衆生を自在に救うことができるといった意味です。
 ここに、「五濁悪世(ごじょくあくせ)」とありますが、これは、五つのけがれに満ちた悪い世界を指す仏教語です。五濁とは、「劫濁・見濁・煩悩濁・衆生濁・命濁」とされ、以下のような意味です。

1.劫濁(こうじょく)・・・天災・疾病・争乱などが起ること。

2.見濁(けんじょく)・・・誤った考えがはびこること。

3.煩悩濁(ぼんのうじょく)・・・人々が煩悩によりさまざまの罪を犯すこと。

4.衆生濁(しゅじょうじょく)・・・人々の心身の資質が堕落すること。

5.命濁(めいじょく)・・・人々の寿命が短くなること。


 安楽浄土というのは、仏教語としては、人間の世界を良くないものとしてとらえ、それを超越したものとしてとらえた表現なので、そもそも現代社会にはなじみにくい概念といえます。心配することなく生活するということは、たしかにうらやましいことですが、心配する中でまた新たな人間性を見出だしていくこともまた重要な側面だといえます。

posted by landmark at 01:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 四字熟語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。