2006年07月23日

安寧秩序

●52.安寧秩序(あんねいちつじょ)

【意味】世の中が穏やかで、秩序が維持されていること。「安寧」は、世の中が穏やかで平和なことを指す。

※参考
 司馬遷の『史記』(秦始皇本紀)に「天下無異意則安寧之術也」(天下に異意無きは、則ち安寧の術なり)としてみられます。「異意」とは、上位の者に反逆する心、離反の心で、異心や異志と同じ意味です。つまり、天下に離反心がないということが、「安寧」だといっています。

 「安寧秩序」自体は、良いニュアンスを当然に持ちますが、歴史上は、しばしば統制を正当化することばとして用いられました。
 大日本帝国憲法の第28条は、「日本臣民ハ安寧秩序ヲ妨ケス及臣民タルノ義務ニ背カサル限ニ於テ信教ノ自由ヲ有ス」として、安寧秩序を乱さないということが、信教の自由を構成するひとつの根拠とされています。また、同じく第59条には、「裁判ノ対審判決ハ之ヲ公開ス但シ安寧秩序又ハ風俗ノ害スルノ虞アルトキハ法律ニ依リ又ハ裁判所ノ決議ヲ以テ対審ノ公開ヲ停ムルコトヲ得」として、裁判所の対審を公開するのにも、安寧秩序を乱していないか、が要件となされました。

 また、明治26年の出版法もその第19条に「安寧秩序ヲ妨害シ又ハ風俗ヲ壊乱スルモノト認ムル文書図画ヲ出版シタルトキハ内務大臣ニ於テ其ノ発売頒布ヲ禁シ其ノ刻版及印本ヲ差押フルコトヲ得」として、 同様に制限が加わっています。


 安寧秩序をもっぱら正当化の理論として根拠付けるのはかなり問題ですが、世の中が平和のうちに治まるのは、国家である以上、理想であることには間違いありません。その状態を完全に実現するのはほとんど無理なことですが、いかにして安寧秩序の状態に近づけていくかは、政策上とても重要であるといえます。

posted by landmark at 00:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 四字熟語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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