2006年07月05日

蛙鳴蝉噪

●28.蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)

【意味】やかましくしゃべること。内容のない下手な文章や益のない議論をあざけっていうことば。蛙や、蝉が鳴きさわぐように騒がしいだけでつまらないということから。「噪」はさわがしいさまを表す。右側のつくりは、「木の上に口三つ」の会意文字で、木の上で鳥ががやがやと騒ぐさまを表現したもので、音は「ソウ」。音的にも意味的にも「騒」に近い。

【出典】北宋の詩人・蘇軾の「出都来陳所乗船上有題小詩」の「蛙鳴青草泊,蝉噪垂楊浦。」(蛙は鳴く青草の泊<とまり>、蝉は噪<さわ>ぐ垂楊<すいよう>の浦)から。垂楊は、しだれ柳のこと。

 また、清の儲欣(ちょきん)「平淮西碑評」にもみえる。「段文昌以駢四儷六蛙鳴蝉噪之音、易鈞天之奏」(段文昌駢四儷六<べんしれいろく>蛙鳴蝉噪の音を以て鈞天<きんてん>の奏に易う<かう>)「段文昌は4字・6字を軸とした文体に蛙や蝉の鳴きわめくような騒々しい対句を用いることで、天上で演奏されるような美しい音楽を変えてしまった」とある。
 「段文昌」は、唐の第十二代皇帝穆宗(ぼくそう)の時の宰相。子の段成式(だんせいしき)は、『酉陽雑俎(ゆうようざっそ)』という怪異記事を集録した書物を著したことで知られる。「鈞天」とは、九天の一つで、天の中央。天帝のいる所も指す。そこから天上で奏せられるというこの上なく美しい音楽を表す。ちなみに「九天」とは、鈞天、蒼天、変天、玄天、幽天、昊(こう)天、朱天、炎天、陽天のこと。

 この「蛙鳴蝉噪」という熟語。一見難しいのですが、「あめいせんそう」と入力するとすぐに変換されるところからすると、そこそこ有名な熟語だということですね。実際にこの名前を冠したサイトは多いようです。それにしてもカエルもセミの鳴き声は中国でも騒々しい象徴だったのでしょうか…。
posted by landmark at 20:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 四字熟語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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